写真集「胎動」紹介記事 



・週間朝日 書評  1994.1.28
 自宅や助産院でん出産した十人の女性とその家族、助産婦らの織りなす「お産の現場」が写しとられた写真集。夫立ち会いの出産はラマーズ法でなじみ深くなったが、ここで紹介されているのは、子供たちも含めた家族のいる場でなされる「アクティブ・バース」だ。
 医療が、出産の安全性に貢献したことは事実だが、陣痛促進剤の過剰な投与で子宮破裂などの問題も起きている。病院や医療に必要以上に頼らない「自分に合った自由な分娩」の姿は、出産の原点について考えさせられる。
・産経新聞 ひと広場にて 1994.1.24

出産はドラマです
 約90点のモノクロ写真は、昭和61年から昨年までに、自宅や助産院で出産した十人の母親とその家族、誕生したばかりの赤ちゃん、助産婦を撮影したもの。
 一方で、「お産ネットワーク」を結成、人工的な手を加えない自然分娩の素晴らしさを訴えている。「若い世代の人たちに見てもらいたい。お産っていいものだなと思ってもらえたらうれしい」

・西日本新聞 1994.2.21
 自然出産をテーマに、生命誕生の瞬間をカメラで追った記録写真集「胎動」を長崎市出身の写真家、宮崎雅子さんが出版した。これまでの写真集の枠を超え、陣痛に耐える裸の母親や体内から出ようともがく乳児の姿をリアルにとらえた写真は迫力に満ちている。
 宮崎さんはマタニティ雑誌を中心に、ドキュメンタリー写真を発表している。
 二児の母で「自然出産の素晴らしさ」を伝えたいと1986年から1993年までの丸7年間にわたり、自宅や助産院で出産した十人の女性と家族、赤ちゃん、助産婦をカメラで追い続けた。
 写真集は約百枚を収録。自宅出産シーンを伝える「軌跡」、赤ちゃんのさまざまな表情をとらえた「躍動」、自然出産に挑んだ母親の表情を追った「喝采」の三部構成で、お産に立ち会ったドキュメントも書き添えている。
 宮崎さんは「自然分べんは、現代医療の支えがあるから可能」としながらも
「医療づけの管理出産から、女性の体に備わった力を十分に発揮する自然分べんの喜びを女性に分かってほしい」と話している。

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